本校について

地域伝統文化総合活性化事業

日本書道藝術専門学校、文化庁事業への参画決定! ――伊東市を中心とする静岡県の書道活性化プラン――

日本書道藝術専門学校では静岡県伊東市とともに、全国初となる「書道教育特区」を実現、平成21年度からは全市10校の小学校に於いて、1、2年生の書道科書道の授業が実施されています。

この本校の書道教育への熱意が認められ、文化庁の推進する「地域伝統文化総合活性化事業」の一環として、伊東市の方々に日本の伝統文化である「書道」に親しんでいただく書道活性化プランの実施が決まりました。本プランを通じて書道の普及と地域伝統文化の発展に寄与します。(この事業は地域に古くから伝わる伝統文化の伝承、活性化や復興を目的とした、各地域の総合的・自主的な活動を文化庁が支援するものです)本校では文化庁からの支援を受け、平成22年度から平成24年度の3ヶ年に渡り本事業を実施しました。

地域伝統文化総合活性化事業での本校の取り組みが新聞に取り上げられました!

伝統文化の息づく伊東市での書道普及の意義

静岡県は本邦中東部に位置し、南に太平洋を臨み北に霊峰富士を仰ぐ自然豊かな地です。その美しい景観と温暖な気候は豊かな産物をもたらし、また人々の優れた感性をも育み、ここに早くから文明の萌芽を見たのです。近世に入り、県内を東西に横断する我が国の幹線街道、東海道が整備され、東西の文物は行き交い、街は常に斬新な文化を吸収しつつ発展を遂げてきました。

伊東市はこの東海道より南に伸びる伊豆半島に位置しており、首都圏に近く、その海山の美しさを愛でて、明治以降多くの文人墨客がこの地を訪れました。市内には彼らの手による多くの歌碑が散在しており、今も訪れる多くの人々の目を楽しませ、この地に伝わる古い歴史を後世へと伝えています。また、市民の伝統文化(能、邦楽、詩歌、書道)に対する関心が非常に高く、その育成、継承への熱意も大変強いものがあります。

これらのことから、財団法人日本書道教育学会の創立者・石橋犀水博士は「学・藝・道」の教育理念の下に伝統書道の指導者を育成すべく昭和54年、日本書道藝術専門学校を設立。昭和59年には静岡県認可の学校法人扶桑学園となり施設カリキュラムを整え、全国から多くの人材を集め徹底した指導を行ってきました。

また、文部科学省と厚生労働省が実施する「放課後子どもプラン」の一環として、同校で「子ども書道教室」を開講。現在も多くの子どもたちが書道を学んでいます。さらに本校の働きかけにより、平成17年伊東市は内閣総理大臣から「書道教育特区」の認定を受け、全市小学校に書道教育の復活を実現させました。

これらの書道教育のノウハウを生かし、左記の事業を通じて、市民の伝統文化への更なる興味関心を高め、書道の継承発展を目指します。

書道公開講座

時季に応じた書道作品の制作や、書道名跡の探訪・鑑賞を行います。各講座のテーマごとに学習意義や歴史的背景を学ぶことで、書道の技術向上のみならず、地域に継承されている伝統文化への理解、認識を深めます。

実施講座

やさしい漢詩鑑賞
有名な漢詩をわかりやすく解説します。漢詩の内容や史実を理解し、鑑賞した漢詩を書作品に表現していきます。
新春写経講座
写経は細字の学習に最も適しており、精神の統一を通して集中力と清浄心を養うとともに心の安らぎを得ることが出来ます。また本会所蔵の敦煌写経や犀水写経を鑑賞し、写経伝来の歴史や学習意義、表現技法を学び実践にうつします。

夏季講座(書道体験集中講座)

伊豆川奈にある東洋文化不二研修所には102畳の大研修室、写経道場をはじめ、歴代書家の作品などを展示した資料館、坐禅堂、茶室、視聴覚室、宿泊施設や食堂など、研修に必要なあらゆる設備が整っています。昨年はこの研修所を利用し、夏に2泊3日の錬成会を開催しました。参加者は集中して基礎を徹底的に学んだり、102畳の大広間を使って普段個人では取り組むことの難しい大作制作に挑戦するなど、それぞれの目標や実力に合わせて錬成に励みます。また資料館に展示されている古今の書道作品、文房四宝を鑑賞し、早朝写経へ参加するなど、3日間たっぷり書道三昧の時間を過ごしました。

書道講習会

書道を学んでみたいと考えていても、きっかけがなくてなかなか始められないという方は多いのではないでしょうか。地域の方が気軽に参加できる書道講習会を開講します。毎週月・木・金曜日に本校の教室を開放して、経験豊かな教授や講師が一般の方々に初歩から丁寧に書道の指導を行います。

学習例

漢字
漢字伝来の歴史を学び、中国、日本の代表的な法帖の臨書を通して、楷書・行書・草書の基本を学びます。
かな
かな発生の歴史を学び、基本用筆やその原字を学びます。
写経
写経の順序や作法などの基本から指導、延命十句観音経・般若心経を浄写します。
実用書
実用書では小筆の使い方を中心に指導します。都道府県名や人名、慶弔句の書き方など実生活ですぐに役立つ内容です。